ロシアの一時停戦は「パレードのため」 ゼレンスキー氏が批判

2025/04/29 09:42 

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 ロシアが5月9日の対ドイツ戦勝記念日に合わせ、8日から72時間の停戦を一方的に発表したことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は28日のビデオ演説で「新たなごまかし」だと非難した。プーチン露大統領の停戦宣言は、軍事パレードを平穏に行うためだとし、「我々はパレードよりも国民の命を重視している」と訴えた。

 ゼレンスキー氏は、全面的かつ無条件の即時停戦を求めており、「5月8日まで待つ理由はない」と述べた。また、停戦が確実なものとみなすには「少なくとも30日間でなくてはならない」とも主張。米国にもロシアへの圧力を強めるよう期待を表明した。

 今月19日にプーチン氏が命じたロシア正教会の「復活祭」(イースター)に合わせた30時間の停戦では、ウクライナは当初同調する姿勢を示し、停戦期間の延長を求めた。だが双方が「停戦破り」を主張して不調に終わった。

 その後、ゼレンスキー氏は民間施設を標的にした攻撃の30日間の停止を提案したが、ロシアからの反応はなかった。ゼレンスキー氏は28日の演説で「ロシアは常に全てを拒否し、世界をあざむいている」と不信感をあらわにした。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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