長期脱炭素電源オークション 24年度分は東電など3社の原発が落札

2025/04/28 21:03 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 国の電力広域的運営推進機関は28日、「長期脱炭素電源オークション」に関する2024年度分の落札結果を公表した。二酸化炭素を排出しない発電所を新設する際の支援制度として23年度に始まったが、今回から加わった既存原発の安全対策費では、柏崎刈羽原発の再稼働を目指す東京電力ホールディングス(HD)など3社が落札した。

 東電HDは柏崎刈羽原発6号機の安全対策投資に向けた費用を落札した。既存原発では他に、北海道電力が泊原発3号機、日本原子力発電が東海第2原発向けにそれぞれ落札した。

 今回は約20社が脱炭素電源503万キロワット分(年3464億円)と液化天然ガス(LNG)火力131・5万キロワット分を落札した。うち3社の既存原発の安全対策投資分は脱炭素原電の約6割を占めたが、全社の落札金額は公表されていない。

 同オークションで落札した企業は発電開始から原則20年間、設備投資に必要な固定費の収入が、電気料金から集めたお金から出される。その代わりに、落札した分の電力を供給する責任を負うことになる。

 東電HDは「安全性を維持向上していくことで、立地地域をはじめとする皆さまの安心にも寄与できるものと考えている」とコメントした。【中島昭浩】

毎日新聞

経済

経済一覧>