トランプ政権が南アの白人を受け入れ 「人種差別」理由に難民として

2025/05/13 11:07 

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 トランプ米政権が「人種差別に遭っている」として受け入れを表明していた南アフリカの白人59人が12日、米首都ワシントン近郊の空港に到着した。複数の米メディアが報じた。トランプ政権は難民や移民の受け入れを厳しく制限する一方で南アの白人を優遇する姿勢が際立っており、人権団体などから批判が出ている。

 難民として米国への定住が進められるのはオランダ系を中心とする少数派の白人「アフリカーナー」(ボーア人)。12日に到着した59人は第1陣とみられる。ランドー国務副長官は空港で記者団に「このグループは南アで命の危険を感じてきた。米国は人種を理由とした迫害を断固として拒否する」と述べた。

 南アでは1990年代まで続いたアパルトヘイト(人種隔離)政策により、少数派の白人が多数派の黒人を差別。その名残で現在も白人が所有する土地が多い。土地の「再分配」が課題となっており、黒人主導の南ア政府は1月に土地を収用しやすくする新法を成立させた。

 こうした中、トランプ大統領は「南ア政府が白人の土地を不当に奪っている」と主張。2月に南アへの資金援助の凍結や白人の米国への再定住を進めるとした大統領令に署名した。南ア政府は反発しており、両国の関係は悪化している。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

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