ロシアとウクライナが捕虜交換開始 侵攻以来、最大規模の見通し

2025/06/09 22:11 

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 ロシア国防省は9日、トルコで2日に行われたウクライナとの直接協議で合意した捕虜交換について、25歳未満の捕虜の交換を実施したと発表した。人数は明らかにしていないが、双方「同数」だという。交換は数日間で段階的に実施され、2022年2月のロシアによる侵攻開始以来、最大規模となる見通し。

 ウクライナのゼレンスキー大統領も9日、X(ツイッター)で、ロシア側との間で捕虜交換が開始されたと明らかにした。直接協議での合意に触れ、「完全な履行を期待している。一人残らず全員を帰還させるため、あらゆる手段を尽くしている」と投稿した。

 両国は直接協議で、重傷・重病者や25歳未満の捕虜を交換することで合意。交換は最大で1200人ずつになり、5月下旬に実施された前回の1000人ずつを上回るとみられる。また、双方が6000人の相手側兵士らの遺体を引き渡すことでも合意した。

 捕虜交換を巡っては、ロシア側が7~9日に捕虜や遺体を引き渡すことを提案していた。しかし、露側代表団を率いるメジンスキー大統領補佐官は7日、ウクライナに捕虜交換の名簿を提示し、ウクライナ兵の遺体を交換場所まで移送したが、ウクライナ側が現れなかったため「相手側が無期限で延期した」と主張。ウクライナはロシア側の主張を否定し、「(ロシアの)印象操作に過ぎない」と反論していた。【山衛守剛(モスクワ)、浅川大樹】

毎日新聞

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