LA抗議デモ 豪記者がゴム弾で撃たれる 豪首相、懸念伝える

2025/06/10 16:48 

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 米西部カリフォルニア州ロサンゼルスで不法移民の一斉摘発をきっかけに広がった抗議デモの中継中、オーストラリアのテレビ局記者が警察官にゴム弾で撃たれる事件があった。記者は無事だったが、アルバニージー豪首相は10日の記者会見で「恐ろしい」と述べ、豪政府として米当局に懸念を伝えたことを明らかにした。

 被害を受けたのは、豪テレビ局「9news」の女性記者。8日にデモの様子を現地から生中継していた際、背後にいた警察官が突然、記者の方に銃を向け、至近距離からゴム弾を発射した。

 記者はマイクを手に話をしている最中で、中継映像には弾が脚に当たった直後、悲鳴をあげて痛みに顔をゆがめ、現場を離れる様子が映っていた。カメラマンが「大丈夫か」と心配する声も記録されていた。

 記者は数時間後には現場取材に復帰し、「私もカメラマンも無事だ。この種の事案を報道する際に起きる不幸な現実の一つだ」と語った。

 豪紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」などによると、アルバニージー氏は会見で「あの映像は恐ろしい。本人とも直接話をした」と述べた上で、「我々はすでにこの件を米政府に提起した。このような事態は容認できない」と強調した。さらに「メディアの役割は特に重要だ」と述べた。

 豪外務貿易省も「オーストラリアは報道の自由とジャーナリストの保護を支持する」との声明を発表したという。【バンコク国本愛】

毎日新聞

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