ワクチン諮問委、新メンバーに批判派 ケネディ厚生長官が指名

2025/06/12 10:28 

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 米国のケネディ厚生長官は11日、ワクチンの安全性や有効性を議論する疾病対策センター(CDC)の諮問委員会の新しいメンバーに8人を指名したと発表した。ケネディ氏は9日に17人の委員全員を解任していた。米メディアによると、新たな委員には新型コロナウイルスのワクチンに批判的だった学者や医師らが含まれている。

 ケネディ氏はX(ツイッター)で8人の指名と略歴を公表し、「エビデンス(科学的証拠)に基づく医療、最高水準の科学、常識を大切にする」メンバーだと主張した。

 新たに指名された生物統計学者のマーティン・クルドルフ氏は、新型コロナの流行時にワクチンの義務化や学校閉鎖などに反対した。ハーバード大医学部教授だったが、2024年に「解雇」されたと自ら発表した。

 米紙ニューヨーク・タイムズは、新委員で医師のロバート・マローン氏は、保守系メディアで「ウイルスやワクチンについての誤情報を広めた」と伝える。マローン氏は、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発に貢献したが不当な扱いを受けたと繰り返し主張している。

 政府のワクチン政策に助言する諮問委はワクチンの安全性や有効性に関するデータを検証し、保険適用に影響する勧告などを行う。米メディアでは、反ワクチン活動家だったケネディ氏が自身の考えに近いメンバーを指名すれば、小児を含むワクチン推奨の方針が大きく変わる可能性があると報じられてきた。【ニューヨーク八田浩輔】

毎日新聞

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