年金改革法が成立 パートの厚生年金適用拡大 「底上げ策」盛り込む
5年に1度見直される公的年金制度の改革関連法は13日、参院本会議で自民、公明、立憲民主3党などの賛成多数で可決、成立した。パートら短時間労働者の厚生年金加入を進める適用拡大が柱で、高齢者や女性の就労増や働き方の変化に対応するのが主な狙い。将来的な目減りが見込まれる基礎年金については、就職氷河期世代以降を念頭に低年金に陥ることを防ぐため、厚生年金の積立金を活用した底上げ策を盛り込んだ。
厚生年金の適用拡大は、月額8万8000円の賃金要件を、26年10月をめどに撤廃する。最低賃金の引き上げに伴い、「週20時間以上の労働時間」の加入要件では賃金要件を上回る地域が増えており、実態に沿った形で解消する。
現行では従業員51人以上の企業を対象にする企業規模要件は段階的に見直し、10年後の35年10月に撤廃する。5人以上の個人事業所で農業や宿泊、飲食業など厚生年金の「非適用業種」は、新規開業の事業所のみ29年10月から適用対象とする。いずれも厚生年金に加入できる人を増やし、老後の年金給付を手厚くする狙いがある。
一定の給与がある高齢者の厚生年金を減額するため、働き損になると指摘されている「在職老齢年金」(在老)を見直す。26年度から、減額が始まる基準を現行の月51万円から62万円に引き上げる。
高所得者の厚生年金保険料の上限は27年9月から3年かけて引き上げる。最終的に保険料負担は月約9000円上がるが、もらえる年金額も増える。遺族厚生年金で、支給に男女差が残る場合の是正措置なども盛り込んだ。
基礎年金底上げ策は付則に盛り込んだ。比較的財政が好調な厚生年金の積立金を活用し、将来的に就職氷河期世代以降を中心に3割下がると見込まれる基礎年金の給付水準を上げる内容だ。実施は29年の次期財政検証を踏まえて判断する。将来的に最大2兆円規模の国費が必要になる。
法案は今国会で、首相が質疑に出席する重要広範議案に指定されているが、参院選への影響を懸念する自民党内の調整が難航し、当初の予定から2カ月遅れで提出された。その過程で底上げ策は提出前に削除されたが、自民、公明両党と立憲民主党が協議して「復活」で合意、衆院で修正された。
今回の改正法に盛り込むことを昨夏断念した、国民年金の納付期間を5年延長して45年間にする「45年化」や、「第3号被保険者制度」のあり方は、次回改正に向けた検討事項として規定した。【宇多川はるか】
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