IAEA事務局長 イランの濃縮ウラン「残っている」 破壊免れたか

2025/06/26 07:38 

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 国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は25日、イランの濃縮ウランは「残っていると考えられる」と述べ、イスラエルや米国の攻撃を受けた後も一部は破壊を免れた可能性があるとの認識を示した。

 ロイター通信によると、イラン当局はイスラエルが攻撃を開始した13日、濃縮ウランや装置を守るため「特別な措置」を取ったとIAEAに伝えた。グロッシ氏は「彼ら(イラン当局)は詳細を明かさなかった」とした上で、移動されたウランが無事だという趣旨だと受け取ったと明かした。

 グロッシ氏は、濃縮ウランや施設の一部が無事である以上、攻撃で損傷した核施設の再建は「不可能ではない」との見方も示した。

 グロッシ氏は、被害状況を確認するための査察が「最優先事項だ」とも強調。イランが25日、IAEAへの協力を停止する法案を可決したことについて、「核拡散防止条約(NPT)体制を弱体化させることになる」と懸念を表明した。

 イランの核施設を巡っては、米軍が攻撃した後、トランプ米大統領が「徹底的に、完全に取り除かれた」と発表した。だが米情報機関の初期的な分析では、濃縮ウランや施設は完全な破壊を免れたとしている。【ベルリン五十嵐朋子】

毎日新聞

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