台湾、中国の侵攻想定で演習開始 過去最長の10日間 避難訓練も

2025/07/09 17:45 

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 中国の侵攻を想定した台湾の年次演習「漢光演習」が9日、始まった。41回目となる演習は、18日まで過去最長の10日間にわたって24時間体制で行われる。ここ数年中国が台湾に対して仕掛ける、武力行使に至らない手段で脅威を与える「グレーゾーン作戦」への対処も含まれ、臨機応変な対応能力を高める。

 演習では、中国によるグレーゾーン作戦からインフラ施設への砲撃、上陸へと続く一連の作戦を想定。中国が演習を装って侵攻に切り替える可能性を念頭に、海軍艦艇や対艦ミサイル部隊を出動させる。特定のシナリオを用意せず、断続的に発生する事態に備える。

 社会全体での防衛能力強化も重要な目標に掲げる。今年の演習には過去最多となる予備役2万2000人を動員。15~18日には各自治体で防空演習が順次行われ、サイレンを合図に全住民が近くのシェルターに避難する。【台北・林哲平】

毎日新聞

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