トランプ氏、ウクライナに長射程兵器供与せず モスクワ攻撃自制促す

2025/07/16 10:17 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 トランプ米大統領は15日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対して長射程兵器を供与する意向がないことを明かし、ウクライナは「モスクワを攻撃すべきではない」と述べた。ホワイトハウスで記者団に語った。トランプ氏が14日に表明したウクライナへの追加の兵器供与を巡っては、米ニュースサイト「アクシオス」が防空のための兵器にとどまらず、長射程ミサイルが含まれる可能性があるなどと報じていた。

 これに先だって、英紙フィナンシャル・タイムズは15日、トランプ氏がウクライナのゼレンスキー大統領と4日に電話協議した際、「モスクワを攻撃できるか」と尋ね、ゼレンスキー氏は「兵器を提供してもらえれば可能だ」と応じたと報道。ただ、ホワイトハウスのレビット報道官は米CNNに「トランプ氏は単純に質問しただけで、大量殺害を促したわけではない」と語った。

 また、トランプ氏は記者団に対して、14日に表明したウクライナとの停戦が50日以内に実現しない場合にロシアと取引する第三国に「100%の関税」を課す方針に関し、「50日以内に合意できなければ大変なことになる。他の制裁も科す」と主張した。

 一方で、ウクライナの味方になったのかと問われると、「私はどちらの側でもない。人類の側に立っている。殺りくを止めたいのだ」と語った。

 トランプ氏はこれまでロシア寄りの姿勢が目立ってきたが、プーチン露大統領が停戦の条件で譲歩しないことから、ロシアに対して圧力を強める方向にかじを切りつつある。【ワシントン松井聡】

毎日新聞

国際

国際一覧>