シリアで9月中旬に議会選実施へ 治安確保に課題も 現地報道

2025/07/28 06:47 

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 シリア選挙管理委員会のトップは27日、国営シリア・アラブ通信に対し、9月中旬に国会に相当する人民議会の選挙を行うと明らかにした。実施されれば、昨年12月にアサド政権が崩壊して以降、初の選挙となる。治安情勢が安定しない中、予定通り円滑に行われるかが焦点だ。

 報道によると、議会選は9月15~20日、すべての県で投票が行われる見通し。定数は210議席で、このうち70議席はシャラア大統領が任命する。国際機関による投票監視も受け入れるという。

 アサド前政権下でも選挙は行われていたが、厳しい独裁体制下にあったため、政権派が圧勝するのが常だった。議会選で透明性の高い民主的な選挙を実現できれば、暫定政権の正当性を高めることになる。

 ただ、シリアでは治安が安定しておらず、今年3月と7月には北西部ラタキア県や南部スワイダ県などでは宗派対立による武力衝突も起きた。前政権の支持派や過激派組織「イスラム国」(IS)なども潜伏しており、各地で選挙運動や投票所などの治安を確保できるかが大きな課題となりそうだ。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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