ロシア外務省、ミサイル配備の自主制限解除を表明 米けん制狙いか

2025/08/05 09:20 

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 ロシア外務省は4日、地上発射型の中・短距離ミサイルの配備を巡る自主制限を解除すると発表した。米国が欧州やアジア太平洋地域で中・短距離ミサイルの配備を進めていることを理由としている。米露で結んでいた中距離核戦力(INF)全廃条約は2019年に失効したが、ロシアは一方的に配備の自主制限を主張し、米国が配備を再開すれば同様の措置をとると警告していた。

 ただ、プーチン露大統領は昨年6月の時点で、米国が欧州やアジアで中・短距離ミサイルの配備を始めたとしてミサイルの配備を再開する方針を示していた。今回の発表は、その方針を改めて示した形で、経済制裁によりウクライナとの停戦合意を迫るトランプ米政権をけん制する狙いもあるとみられる。

 露外務省は声明で、一方的な自主制限を維持する条件が消滅したことを確認したと説明し、「これまでのように拘束されることはない」と表明。また、今後の対応については、米欧におけるミサイルの展開規模や国際安全保障の全体状況などに基づき、ロシア指導部が決定するとしている。

 プーチン氏は1日、核搭載可能な最新式の中距離弾道ミサイル「オレシニク」の量産と軍への配備を開始したことを明らかにし、年内にベラルーシにも配備する方針を示している。【モスクワ山衛守剛】

毎日新聞

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