トランプ米大統領、北朝鮮の金総書記との年内会談に意欲 韓国と連携

2025/08/26 05:16 

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 トランプ米大統領は25日、韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領とホワイトハウスで会談した。2人の対面での会談は初めて。李氏は、朝鮮半島情勢の緊張緩和に向けてトランプ氏と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の会談実施を要請。トランプ氏は「今年中に会いたい」と述べ、年内の米朝首脳会談開催に意欲を示した。両首脳は日米韓の連携を強化する方針も示した。

 李氏は会談冒頭でトランプ氏が力を注ぐ仲介外交を評価し、「世界で唯一の分断国家として残る朝鮮半島を平和にしてほしい」と訴えた。北朝鮮は李政権との対話を拒絶する一方で、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は7月28日付の談話で正恩氏とトランプ氏の「個人的な関係が悪くないという事実を否定したくはない」としている。李氏は「トランプ大統領が問題を解決できる唯一の人物だ」と持ち上げた。

 トランプ氏は1期目(2017~21年)に正恩氏と3回会談しており、「互いに友好的で尊敬していた」と応じ、北朝鮮との関係改善を目指す李政権の方針を評価。「我々は大きな成果を得られるだろう」と語った。

 両首脳は日米韓3カ国の連携を重視する考えも強調した。トランプ氏が日韓の歴史問題が障害になってきたとの認識を示すと、李氏は訪米に先立ち日本で石破茂首相と会談をしたと紹介。「多くの要因が解消された。韓日関係の将来は明るい」と懸念の払拭(ふっしょく)に努めた。

 トランプ氏は、在韓米軍の削減の可能性について記者団から問われ「今は言いたくない」と回答を避けた。在韓米軍駐留経費に関しては「韓国は私の1期目では増額に応じたがバイデン(前政権)の時に文句を言って数十億ドルを払わなかった」と指摘した。在韓米軍基地の土地について所有権を米国に譲渡するよう要求する考えも示した。

 米韓両政府は7月30日、米国が韓国への関税を15%にする見返りに、韓国が米国の液化天然ガス(LNG)などを購入し、造船分野で協力する内容の関税協議に合意している。両首脳はこの合意を着実に推進する方針を確認した。トランプ氏は10月末から韓国であるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する意向も表明した。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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