韓国メディアが村山氏死去を速報 「植民地支配を初めて謝罪の首相」

2025/10/17 16:48 

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 韓国メディアは17日、村山富市元首相の死去を一斉に速報した。村山氏は韓国で、植民地支配に対する「痛切な反省」と「心からのおわび」を表明した「戦後50年談話」(1995年)を出した人物として知られる。メディアは「植民地支配を初めて謝罪した首相」などの見出しで伝え、談話の意義や村山氏にまつわるエピソードを詳細に報じた。

 聯合ニュースは、村山氏が談話で日本の首相としては初めて植民地支配を「侵略と表現した」と指摘し、「従来より一歩進んだ謝罪と歴史認識を表したという評価を受けた」と伝えた。

 東亜日報は、談話が98年の小渕恵三首相と金大中(キム・デジュン)大統領による日韓共同宣言の土台になったと説明。元慰安婦に「初めて直筆署名の謝罪手紙を送った日本首相」とも紹介した。

 また、各メディアは村山氏が生前、質素でつつましい生活を送り続けたことを伝えた。朝鮮日報は「世襲政治家が多い日本の政治で家族や親戚に政治家は一人もいなかったとして知られている」と評価し、政界引退後は自転車に乗ってスーパーへ買い物に行っていたエピソードなどを伝えた。

 村山氏が昨年3月、100歳の誕生日に合わせて発表した「日本が平和な国であり続けることを祈る」とのメッセージも複数の社が紹介した。【ソウル日下部元美】

毎日新聞

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