米国防総省、取材規制同意の「次世代記者団」発表 主要各社は拒否

2025/10/23 09:28 

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 米国防総省のパーネル報道官は22日、米軍などの取材に関する新たな規制の指針に新興メディアの記者ら60人以上が同意し、同省の「次世代記者団」に加わると発表した。新指針は、記者が通常の取材活動を行えば刑事責任を問われかねない内容で、主要メディアは受け入れを拒否している。

 パーネル氏は声明で「新興メディアや独立系ジャーナリストを広範に代表する60人超」が同省の記者団に加わると説明した。個別の媒体や記者の名前は明らかにしていない。

 米紙ワシントン・ポストによると、「次世代記者団」に加わる大半の媒体はトランプ大統領を支持する右派の新興メディアとみられるという。新指針導入前から同省に常駐して取材していたメディアは新興放送局のワン・アメリカ・ニュース・ネットワーク(OANN)のみ。OANNもトランプ政権に融和的な報道姿勢で知られている。

 国防総省は、記者証交付の条件として、当局者に機密なものを含めて情報提供を「懇願」すれば刑事責任を問われる可能性があるとする指針への同意を要求。トランプ政権に近い保守系FOXニュースを含む主要メディアは受け入れを拒否し、今月15日までに同省の記者証を返却した。【ワシントン金寿英】

毎日新聞

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