核兵器をなくす日本キャンペーン トランプ氏の核実験指示に批判

2025/10/31 15:41 

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 トランプ米大統領が核実験の実施を国防総省に指示したと自身のソーシャルメディアで明らかにしたことに対し、一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」は31日、オンラインで開いた記者会見で「核兵器の使用や実験は許されないという国際規範を根底から揺るがす」などと批判した。日本政府には真意をただして抗議するよう求めた。

 NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」国際運営委員でもある川崎哲専務理事は「発言の真意が分からない」とした上で、爆発を伴う核実験を意味するならば、核拡散防止条約(NPT)や核実験全面禁止条約(CTBT)、核兵器禁止条約といった規範への重大な挑戦で「他国が追随し核開発競争に戻ってしまう」と懸念を示した。日本政府に対しては「きちんと抗議しなければ、CTBTが非常に重要と訴えてきた姿勢と整合しない」と指摘した。

 核兵器をなくす日本キャンペーン理事で、広島市のNPO「ANT―Hiroshima」の渡部朋子理事長は「核実験は被爆者を生むことをトランプ氏は認識できているのか」と憤り、「過剰に反応すれば、日本でも核武装や核共有(核シェアリング)の主張が台頭してくる可能性がある。理性的に対応し、核兵器がもたらす問題を政治指導者に再確認してもらいたい」と語った。【宇城昇】

毎日新聞

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