仏裁判所、サルコジ元大統領の仮釈放認める 犯罪準備共謀罪で収監

2025/11/10 21:51 

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 フランスの上訴裁判所は10日、パリのサンテ刑務所に収監中のニコラ・サルコジ元大統領(70)の仮釈放を認めた。サルコジ氏は9月、パリの裁判所で2007年大統領選の選挙資金調達を巡る犯罪準備共謀罪で禁錮5年の判決と仮執行命令を受け、10月21日に戦後の第5共和政の大統領経験者として初めて収監されていた。

 上訴裁判所は弁護団からの仮釈放申請を受け、収監の継続の必要性について審査していた。仮釈放後は司法当局の厳重な監視下に置かれ、他の被告や証人との接触が禁じられる。

 パリの裁判所は9月、サルコジ氏が内相時代の05~07年、側近2人を通じてリビアのカダフィ政権(当時)と接触し、大統領当選後のリビアへの支援を約束し、巨額の選挙資金を受け取ろうとした犯罪準備共謀罪で有罪判決を下した。サルコジ氏の弁護団は仮釈放を申請するとともに上訴し、上訴裁判所での審議は来年3月ごろに始まる見通し。

 仏刑事訴訟法は収監を継続する条件として、それが証拠を保護し、圧力や共謀、逃亡を防ぎ、本人を保護するための「唯一の手段」である場合と規定している。

 サルコジ氏は社会党のオランド元大統領に敗北した12年大統領選を巡っても選挙資金を違法に調達した罪で上訴裁判所から有罪判決を受けており、26日に最高裁にあたる破棄院で判決が下される。【ブリュッセル宮川裕章】

毎日新聞

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