インドネシア、スハルト元大統領を国家英雄に 32年間、独裁政権
インドネシア政府は10日、32年にわたり独裁政権を続けた故スハルト元大統領に、名誉称号「国家英雄」を授与した。人権侵害の歴史を隠蔽(いんぺい)する動きだとして、人権団体などから反発の声が上がっている。
スハルト氏は1965年、精鋭部隊の戦略予備軍司令官として、共産党のクーデター未遂とされる「9・30事件」を鎮圧した。共産党を壊滅させる過程で、50万人以上が虐殺されたとされる。66年3月、「建国の父」スカルノ初代大統領から実権を奪い、68年に第2代大統領に就任した。
「開発独裁」と呼ばれる体制のもと、日本や米国などの資本を導入して経済成長を進めた一方で、言論の自由を抑圧。縁故主義や汚職も横行し、在任中の不正蓄財は最大350億ドルに上ると推計されている。
スハルト氏は2010年と15年にも候補となったが、称号の授与を逃してきた。だが、24年10月に就任したプラボウォ大統領は、スハルト氏の元娘婿であり、国軍の最高幹部として独裁政権を支えた経歴を持つ。過去の選挙戦でも、同氏の選出を明言していた。
スハルト政権下での民主化運動弾圧などを追及してきた人権NGOは、重大な人権侵害に責任があるとして、称号授与は「不適切だ」と批判。インドネシア法律扶助協会も10日、「法的にも人権的にも矛盾する」との声明を発表した。
政府は歴史教科書の改訂作業も進めており、スハルト政権を肯定的に再評価する可能性があるとして、懸念が広がっている。
国家英雄の称号は、国の独立や発展に貢献した故人に毎年授与され、今年はスハルト氏のほか、民主化を推進した故ワヒド元大統領ら計10人が選ばれた。【バンコク国本愛】
-
米最高裁、同性婚の合憲性を再確認 判決見直しの申し立てを却下
米連邦最高裁は10日、南部ケンタッキー州の元郡職員が同性婚の憲法上の権利を認めた2015年の判決を覆すことを求めていた審理の申し立てを却下した。同性婚の合憲性…国 際 1時間前 毎日新聞
-
米上院、つなぎ予算可決 週内にも政府機関全面再開見通し
米連邦議会上院(定数100)は10日、史上最長期間を更新する連邦政府機関の一部閉鎖の終了に向け、当面の政府支出を賄うつなぎ予算案を可決した。野党・民主党の一部…国 際 2時間前 毎日新聞
-
「間違ったスピード」ブラジル大統領、温暖化対策訴え COP30
国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が10日、ブラジル北部ベレンで開幕した。今年は地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」を採択した2015年…国 際 3時間前 毎日新聞
-
インドの首都、世界遺産近くで車爆発 少なくとも9人死亡、20人けが
インドの首都ニューデリーにある世界遺産「レッド・フォート」近くで10日夜、車が爆発し、地元メディアによると、少なくとも9人が死亡、20人が負傷した。現場は人通…国 際 6時間前 毎日新聞
-
ブラジルでCOP30開幕 「責任果たせ」地元知事はトランプ氏批判
地球温暖化対策を話し合う国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)が10日、ブラジル北部のアマゾン河口の都市ベレンで開幕した。議長には、駐日ブラジ…国 際 12時間前 毎日新聞













