米上院、つなぎ予算可決 週内にも政府機関全面再開見通し

2025/11/11 10:54 

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 米連邦議会上院(定数100)は10日、史上最長期間を更新する連邦政府機関の一部閉鎖の終了に向け、当面の政府支出を賄うつなぎ予算案を可決した。野党・民主党の一部議員が造反し、共和党主導の法案で賛成に回ったため、上院での法案可決に必要な60票に達した。共和党が過半数を占める下院での可決やトランプ大統領の署名を経て、週内にも全面再開される見通しが強まった。

 トランプ大統領は10日、記者団に対し、つなぎ予算案について「民主党議員の十分な支持を得ており、国を開放するつもりだ」と述べた。上下両院を通過すれば、署名する意向をにじませた。

 つなぎ予算案には、来年1月30日までの全ての政府予算や、農務省など一部の省庁の通年予算が盛り込まれている。民主党がかねて要求してきた医療保険制度(オバマケア)に基づく補助金の延長は入っておらず、民主党指導部は反対姿勢を崩していない。

 また、民主党の一部議員と共和党による9日の合意で、政府閉鎖中にトランプ政権に解雇された政府職員の再雇用や未払い給与の受け取りが保証された。

 一連の問題は、10月以降の政府の通年予算案が9月末までに成立しなかったことで発生。10月1日以降、政府職員は緊急性の高い職場で無給での勤務を強いられる一方、それ以外の職場では自宅待機が長期化した。閉鎖期間はこれまで最長だった35日間(2018年12月~19年1月)を上回り、10日時点で41日間に及んでいる。【ワシントン浅川大樹】

毎日新聞

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