G20開幕、南アフリカ政府が首脳宣言公表 国際協調など訴え

2025/11/22 22:56 

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 日米欧や中国、ロシア、新興国を加えた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が22日、南アフリカの最大都市ヨハネスブルクで開幕し、南ア政府は、国際協調や気候変動対策の重要性を訴える首脳宣言を公表した。今回は米トランプ政権が南ア国内の「人権侵害」を理由に不参加を決めており、米国不在のまま宣言が公表される異例の事態となった。

 ロイター通信によると、南ア報道官は宣言が「採択された」と説明した。英紙ガーディアンなどによると、米国はG20サミットの首脳宣言採択は受け入れず、より格下の「議長声明」のみ容認する意向だった。今後、米国の反発を呼ぶのは必至で、加盟国内の足並みの乱れが露呈しそうだ。

 南アが22日に公開した首脳宣言では、「気候変動の緊急性と深刻さを認識する」と明言し、米国が離脱を表明した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目的を達成する重要性にも言及。さらに、再生可能エネルギーの発電容量を世界で3倍に増やす取り組みを「支持する」とも述べている。

 グローバルサウス(新興・途上国)は戦争や気候変動などの影響を受けやすく、多国間の枠組みによる課題解決は欠かせない。多くのアフリカ諸国の貧困などの遠因となっている世界的な課題に焦点を当てたい南アの立場が反映された形とみられる。ロイター通信によると、加盟国は21日、米国抜きで草案をまとめたという。【カイロ金子淳】

毎日新聞

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