仏のG7サミットへの習近平氏招待検討 日本は慎重な対応を要求

2025/12/04 17:11 

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 フランスが来年6月に東部エビアンで開催予定の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に中国の習近平国家主席の招待を検討していることについて、日本政府がフランスに懸念を伝え、慎重な対応を求めたことが判明した。マクロン大統領は4日、北京で習氏と会談しており、外務省幹部は「仏側がG7サミットへの招待を伝えた可能性もある」と注視している。

 フランスは2003年にエビアンで開催したロシアを含むG8サミットに、中国首脳では初めて当時の胡錦濤国家主席を招待したことがある。日本政府関係者によると、フランスは「経済大国の中国を呼ぶのは重要」などと主張しているが、日本など複数のG7参加国は自由や民主主義などの価値観を共有していない中国が参加して「G8」に拡大することには慎重だ。日本は来年の会合に限定した招待にも賛成していない。

 日本はアジア唯一の参加国で、これまでのG7サミットでは中国の経済的威圧や海洋進出などへの懸念を首脳宣言にも反映させてきた経緯がある。政府関係者は「習氏が出席するかどうかは不透明だが、中国が参加すれば、重大な課題についての議論ができなくなる可能性がある」と話す。【田所柳子】

毎日新聞

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