<1分で解説>中国伝統「白酒」の苦境…若者の酒離れに政府の倹約令

2025/12/11 16:36 

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 中国を代表する蒸留酒「白酒」が苦境に立たされています。若者の酒離れに政府の「倹約令」というダブルパンチの中で、アルコール度数が50度を超す白酒は特に敬遠され、生産量はがた落ち。1分で読めて役に立つ「サクッとニュース」、今回は「中国の伝統酒・白酒の苦境」を解説します。

Q 白酒ってどんなお酒なの?

A 白酒はモロコシの「コーリャン」を原料とする強いお酒です。小さなグラスで一気に飲むのが中国流とされています。

Q どこでたくさん作られているの?

A 中国内陸部の貴州省仁懐市には約870の酒造会社が集まり、中国の「酒都」と呼ばれています。

Q 生産量はどれくらい減ったの?

A 中国の酒類市場で白酒は圧倒的なシェアを誇るものの、生産量は2016年の1358万キロリットルをピークに減り、24年には415万キロリットルと8年間で約3割の水準に落ち込みました。

Q 若者はどうして白酒を飲まなくなったの?

A 若者の間では、低アルコール飲料でほろ酔いになる「微醺(びくん)」が人気で、二日酔いを避けたい人も多いからです。また、白酒は「おじさん」のイメージが強いのです。

Q 政府の規制ってどんなものなの?

A 習近平指導部は公務員に「倹約令」を出し、高級な料理や酒を控えるようにしています。これも白酒の消費量減少に大きく影響しています。

Q 白酒メーカーは何か工夫をしているの?

A メーカーはアルコール度数の低い白酒を開発したり、100ミリリットルの小さいサイズを販売したりして、若者にも手に取りやすくしています。また、貴陽市のジェラート店では、白酒と緑茶を混ぜたアイスを販売しています。あるコーヒーチェーンは、白酒の最高級ブランド「茅台(マオタイ)」とコラボしたカフェラテを出したこともあります。でも、消費量を回復させるにはほど遠いようです。

毎日新聞

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