福岡・大川市議会、副市長らの人事案4回目の不同意 市長派のみ賛成

2025/12/13 08:15 

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 福岡県大川市議会(定数14、欠員1)は12日、副市長に元市税務課長の本村和也氏(65)、教育長に元大川樟風高校長の西嶋賢児氏(62)を起用する人事案を賛成少数で不同意とした。昨秋初当選した江藤義行市長と、前市長を支持してきた議会多数派9人の対立が続き、不同意は4回目だ。

 12月市議会最終日の12日、江藤市長は2024年12月、25年3、6月に続き副市長、教育長とも同一人物を提案した。10月に市防災訓練と県への河川改修要望が重なった時、訓練を欠席して批判を受けた例を挙げ、「(私の)身は一つ。副市長がいれば代理でできる」と同意を求めた。

 これに対し、前市長派市議は「前回までも批判があったのにまた最終日の追加提案。会期当初に提案し、説明すべきだ。議会軽視で不信感が募る」「全く変わらない内容を4回も提案するのはいかがか」と反対した。

 採決の結果、賛成したのはこれまでと同様、江藤市長派の4人だけだった。

 不同意となる見通しの中、9月は見送った人事案を今回また提案した理由について、江藤市長は取材に「悩んだが、副市長、教育長の必要性を認識してもらう。ある意味良かった」と語り、「最高の人事案。流れは変わる」と同一人物で提案する機会を探る考え。

 一方、前市長派の会派「明朋会」(6人)会長、馬渕清博市議は「市長は人事案について議会に説明する、すると言って全くせぬまま最終日に提案してくる」と説明不足を指摘し、他の前市長派は「人選を変えなければ同じ結果が続くだろう」と語る。【降旗英峰】

毎日新聞

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