災害時の土砂ダム、無人で対応できるロボット開発 大阪工大など
大阪工業大・大須賀公一教授(ロボット工学)らの研究グループが、地震や豪雨で山腹が崩落し、土砂が川をせき止める災害「河道閉塞(へいそく)(土砂ダム)」に対応するロボットシステムを開発した。ヘリでロボットを現地に運び、緊急踏査や応急排水などを行って決壊を防ぐ。危険な現場で人が行っている調査や工事を無人化する試みだ。2030年を目標に実証機の開発を進める。
河道閉塞は紀伊半島豪雨(2011年)や能登半島地震(24年)などで発生し、下流の住民が長期避難を強いられるなど深刻な被害をもたらした。今回のロボット開発は、挑戦的研究で社会課題を解決する国の施策「ムーンショット型研究開発制度」の一環で実施し、全国の大学や企業が参画している。
大阪工大・枚方キャンパス(枚方市)で11月27日に試験機が公開された。ヘリで運ぶ想定で、コンテナ(高さ約1・8メートル、幅1・6メートル、奥行き1・7メートル)に複数のロボットをコンパクトに収納。コンテナの扉が開くと、搬送用ロボが凸凹の地形を自走できる踏査用ロボを載せて出発し、移動先で分離した。次に別のコンテナから排水用ロボを載せ直して移動し、巻いた状態のホースを約20メートル伸ばした。いずれも遠隔操作で行われた。
河道閉塞ではたまった水を速やかに排出し、決壊や土石流を防ぐ必要がある。発生場所の多くは接近や現状把握が難しい山間部で、無人ロボならば空路で搬入し、人員の2次災害も防止できる。
今回は機械設計の発想も転換した。突発的な災害の現場はあらかじめ動作環境を設定できない。そこで「環境と闘わず柔らかく解決する『開いた設計思想』」(大須賀教授)に立ち、ロボットを現場で柔軟に組み合わせて動かす分離・合体方式を編み出した。
研究グループでは今後、ロボットを大型化したうえで3トンのコンテナに収め、AI(人工知能)を活用してカメラやセンサーで自律的に動くシステムの開発を進めるなどし、実証機の開発を目指す。大須賀教授は「阪神大震災以来、災害対応ロボットは私たち研究者が追うテーマ。近年は災害が多様化し、南海トラフ地震の到来も言われる。開発のスピードを上げたい」と述べた。【野上哲】
-
河合塾が「ドルトンX学園高校」開校へ 岩手に本校、海外にも拠点
予備校の河合塾グループは9日、岩手県一関市に広域通信制高校を2027年4月をめどに開校すると発表した。生徒の学習の場として、国内外に複数の「地域拠点」を設置。…社 会 1時間前 毎日新聞
-
おもちゃの車で手術室へ 子と親の不安和らげ好評 久留米大病院
手術を受ける子どもの不安を和らげようと、福岡県久留米市旭町の久留米大病院が、手術室までおもちゃの車に乗って移動する取り組みを始めた。 2017年ごろから米国…社 会 1時間前 毎日新聞
-
保険代理店、東京海上を提訴 手数料ポイント「一方的に引き下げ」
損害保険会社が保険代理店に支払う手数料を算定するのに使われる「代理店手数料ポイント」の数値を、損保会社が一方的に引き下げて手数料が減額されたとして、保険代理店…社 会 2時間前 毎日新聞
-
売れ残った「訳あり品」専用の冷蔵ロッカー 3~5割引で販売 神戸
その「訳あり品」、みんなで「分け合って」みませんか――。 弁当店やパン屋、農産物直売所などで閉店まで売れ残った「食品ロス」を専用冷蔵ロッカーで預かり、アプリ…社 会 3時間前 毎日新聞
-
子ども食堂が過去最多更新 1万2601カ所、物価高も「踏ん張る」
子どもに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国で少なくとも1万2601カ所開設されており、過去最多を更新したことが支援団体の調査でわかった。 自治体…社 会 3時間前 毎日新聞













