子ども食堂が過去最多更新 1万2601カ所、物価高も「踏ん張る」

2025/12/13 10:30 

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 子どもに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国で少なくとも1万2601カ所開設されており、過去最多を更新したことが支援団体の調査でわかった。

 自治体や企業、団体の連携による支援の広がりが要因という。物価高の影響を感じている運営者は約85%に上ったが、開催頻度や料金を維持している食堂が多かった。

 ◇子ども食堂ありの小学校区が4割に

 認定NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京都)が11日に発表した。むすびえは2025年6~10月、全国の団体や自治体を対象に調べた。調査は18年度から毎年実施しており、今回で8回目。

 子ども食堂の数は速報値で、24年度の1万867カ所から1734カ所増加。子ども食堂が1カ所以上ある小学校区は全体の約4割になった。

 都道府県別では、東京都が1325カ所で最多。次いで大阪府(1056カ所)、神奈川県(678カ所)と続いた。都市部に多かった。

 ◇「助成金取りにくくなり資金不足」も

 また、運営者を対象にした調査結果も公表。困りごとを複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「運営資金の不足」「支援のための周知・広報」(ともに47・2%)だった。次いで「運営スタッフ・ボランティア不足」「後継者不足」が続いた。

 子ども食堂が増えたことにより、助成金を獲得しにくくなって資金不足に陥る食堂もある。自由回答欄には「助成金の採択率が下がり、会場費や食材費が不足している。寄付金や自己負担だけでは厳しい」といった声もあった。

 また、この1年で「物価高による影響を感じている」と答えた運営者は84・7%。「費用負担が増えた」と回答した運営者も61・9%に上った。

 それでも、開催頻度や料金、食事内容は変更していないと答えた運営者は63・6%に上り、変更したのは14・2%にとどまった。

 この日、むすびえの三島理恵理事長は「地域の子ども食堂を支える皆さんの頑張りと踏ん張りによって何とか保たれているのが現状。共感とともに応援が広がっていけば」と、さらなる支援を訴えた。【岡田英】

毎日新聞

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