「亡くなる前に会いたい」 スーチー氏の次男、日本政府に協力求める

2025/12/12 18:43 

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 ミャンマーで軍事政権による拘束が続く民主派指導者、アウンサンスーチー氏(80)の次男キム・エアリスさんが12日、「母はミャンマーの民主化と発展のために自らの人生をささげてきた。母が亡くなる前に一度会いたい」と訴えた。

 来日中のエアリスさんは、ミャンマーの民主化を支援する超党派議員連盟の総会に出席。

 スーチー氏の解放が困難なことは理解しているとしたうえで、「せめて刑務所から自宅軟禁に戻され、健康状態が確認できれば、これ以上うれしいことはない」と述べた。

 ミャンマーでは2021年2月のクーデター以降、国軍が全権を握る。

 「この5年間、一通の手紙を除いて母とは全く連絡が取れない」と述べ、拘束されている場所も不明だという。

 スーチー氏の健康状態については、歯茎と骨に問題があり「持病の心臓疾患も悪化しているようだ」と説明。今年3月の大地震で収容されていた首都ネピドーの刑務所が損壊し、スーチー氏も負傷した可能性が高いとの見方を示した。

 軍事政権は、今月28日から民主派を排除して総選挙を実施する。エアリスさんは日本政府に対して「自由と公正からかけ離れたいんちき選挙だ。選挙を認めず、平和と自由を取り戻すために協力してほしい」と呼びかけた。【小泉大士】

毎日新聞

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