グリーンランド巡る追加関税 EUも対抗措置を検討 英FT報道

2026/01/19 10:52 

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 デンマーク自治領グリーンランドの領有に協力しないとして、トランプ米大統領が英独仏など欧州8カ国からの輸入品に追加関税を課すと表明した問題を受け、欧州連合(EU)は18日、発動時には930億ユーロ(約17兆円)相当の報復関税で応じる検討を始めた。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた。強硬姿勢を見せることで米国に翻意を促す考えとみられるが、対立が鮮明化する中、お互い歩み寄れずに通商対立が再燃する懸念もある。

 EU当局者や報道によると、加盟27カ国は18日、緊急会合を開いて対応を検討。その中で、930億ユーロの報復関税案を検討する考えが示された。

 EUの行政執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は18日、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長やスターマー英首相、マクロン仏大統領、メルツ独首相、イタリアのメローニ首相と協議。X(ツイッター)に、「欧州の連帯に対する挑戦には、揺るぎない決意と覚悟をもって立ち向かう」と投稿。トランプ氏の圧力に屈しない姿勢を改めて示した。22日にもEU加盟国は臨時の首脳会議を開くという。

 この報復措置は、もともとはトランプ氏が昨年4月にEUを含む世界各国からの輸入品への関税率を大きく引き上げたことへの対抗策だった。同年7月にEUと米国が関税交渉で基本合意したため実際には棚上げされた。航空機部品や大豆、鶏肉、バーボンウイスキーなどの幅広い品目が対象。

 米国はウクライナへの全面侵攻を続けるロシアとの和平交渉を主導するなど、欧州域内の安全保障に大きく関わっている。全面対立は避けたい欧州側は、一歩も引かない構えを見せながらも、スイス東部ダボスで19日から開かれる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での会談などで問題解決の糸口を見いだしたい考えだ。

 ただ、マクロン氏は、「非友好国」向けに策定された、域内市場から製品やサービスを締め出すより強硬な報復措置の検討も訴える。溝が広がれば、対抗措置の応酬で通商摩擦が激化する懸念もある。

 トランプ氏は17日、欧州8カ国からの全輸入品に2月1日から10%の追加関税を課すと発表した。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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