米主導「平和評議会」発足 国連の”代替”狙うも、欧州・日本は慎重

2026/01/22 20:26 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 米国が主導するパレスチナ自治区ガザ地区の和平計画を巡り、暫定統治を指揮する国際機関「平和評議会」の発足式典が22日、スイス東部ダボスで開かれた。

 トランプ米大統領は、評議会をガザだけでなく、世界の紛争地域の和平に関与させる方針だ。国連と役割が重なる部分があり、欧州諸国や日本は、参加を慎重に検討している。

 ◇60カ国以上の首脳招待も…

 「我々はガザが美しく再建されることに尽力し、他の課題に移る。平和評議会と国連が連携すれば、他に類を見ないことができる」。トランプ氏は式典冒頭の演説でそう語った。

 評議会はトランプ氏を議長とし、各国首脳らで構成される。トランプ氏は60カ国以上の首脳を招待。ただロイター通信によると、参加を表明したのはイスラエルやアラブ諸国など、トランプ政権と良好な関係を築く約35カ国にとどまる。

 米メディアによると、評議会の憲章草案では「ガザ」への言及はなく、「国際法に基づく平和構築の機能」を持つと記されている。トランプ氏には議決の拒否権や参加国の選定など、大きな権限が与えられる。議長も「辞任するまで」続けられるという。

 国連とのすみ分けがあいまいな上、組織の意思決定がトランプ氏に委ねられるため、参加に慎重な国は多い。

 マクロン仏大統領は19日、「ガザの枠組みを超えるもので、国連の原則や組織を尊重する観点から疑義が生じる」とし不参加を表明。ノルウェーやスウェーデンも参加を見送る。

 一方、スターマー英首相は「同盟国と議論している」として、慎重に検討する考えだ。日本も参加の可否を検討している。ロシアや中国も招待されているが、結論を出していないという。

 ◇不参加で「報復」恐れる声

 ロイター通信によると、参加国の外交官からは、参加しなかった場合のトランプ氏による「報復」を恐れる声が上がっているという。

 評議会は、ガザの和平や復興についても監督権限を持つ。

 ガザではパレスチナ人の専門家で構成する「ガザ行政国家委員会」が発足しており、今後、イスラム組織ハマスの代わりに公共サービスを担う。

 米メディアによると、行政国家委員会をウィットコフ米中東担当特使、トルコ、カタールの閣僚らで構成する「ガザ執行委員会」が監督。評議会は、執行委員会を管理、監督する機関になるという。

 ガザ戦闘の当事国であるイスラエルが評議会に参加することについては、公平性の面で議論を呼びそうだ。パレスチナ自治政府は評議会に招待されていないとみられる。

 一方、イスラエルのネタニヤフ首相は執行委員会のメンバーにハマスに近いとされるトルコ、カタールが入っていることに反発。同盟国である米国との間に隙間(すきま)風も吹いている。【エルサレム松岡大地】

毎日新聞

国際

国際一覧>

写真ニュース