韓国の司法改革巡り紛糾 野党など「独立脅かしかねない」と反発

2026/02/28 12:30 

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 韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権と、国会で過半数を占める与党「共に民主党」が、判事や検事が法を故意にゆがめて解釈した場合に処罰する「法歪曲(わいきょく)罪」の新設などを柱とする司法改革を推し進めている。27日までに関連法案が相次いで国会を通過した。与党は「民主的な司法の実現」に向けた措置だと強調するが、野党や大法院(最高裁)からは司法の独立を脅かしかねないとの反発が広がっている。

 26日に可決されたのは、法歪曲罪を盛り込んだ刑法改正案で、最高刑を懲役10年と定めた。与党側は、検察や判事による恣意(しい)的な法解釈や証拠の捏造(ねつぞう)といった権力乱用を防ぐ必要があると主張した。

 これに対し、多くの法曹関係者は、政治家が関係する事件の捜査や裁判で検事や判事が萎縮する恐れがあると指摘。大法院も「司法を掌握する手段として悪用される可能性がある」との懸念を表明している。

 こうした動きの背景には、李氏自身を巡る刑事裁判があるとの見方もくすぶる。李氏は大統領就任前、背任や公職選挙法違反罪などで起訴され、五つの刑事裁判を抱える。大統領就任に伴い公判は停止されたが、退任すれば再開され、有罪判決を受ける可能性がある。最大野党「国民の力」は「(法歪曲罪は)李氏の裁判を担当する判事に圧力をかける手段だ」と強く批判している。

 さらに27日には、大法院の判決について手続きに違法性があれば憲法裁判所に審査を請求できる制度を導入する憲法裁判所法改正案も可決された。

 与党は「国民の基本的権利を守るため」と説明するが、大法院は「判事9人のうち6人を大統領や国会が選ぶ。憲法裁が特定の裁判に直接関与すれば、裁判結果が政治的な影響を受ける」と反発する。

 加えて、大法院の判事を増員する裁判所組織法の改正案も審議中だ。与党側は現行の14人では急増する上告事件に対応できないとして26人への増員を提案している。韓国メディアによると、判事が26人に増えた場合、このうち22人を李氏が大統領の任期中に任命する見通しで、大法院の構成が政権寄りになる可能性があるとの指摘も出ている。【ソウル福岡静哉】

毎日新聞

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