「トランプ氏は侵略者だ」 露右派の思想家ドゥーギン氏の戦争論とは
米国とイスラエルによるイラン攻撃は、ロシア国内でも波紋を呼んでいる。右派の思想家として著名なアレクサンドル・ドゥーギン氏(64)が12日、毎日新聞の取材に応じ、「トランプ米大統領は侵略者だ」と訴えた。プーチン露大統領はトランプ氏との良好な関係を重視するが、露国内の反米思潮の一端が示された形だ。
「これは第三次世界大戦の第1段階だ。イランは勇敢に抵抗し、日を追うごとに戦争の深刻化が明らかになっている」。ドゥーギン氏は中東各国を巻き込む戦火について、こう指摘した。さらに「ロシアもイランと同じ敵と、真の戦争を戦っている」と述べ、強固な反米姿勢を示唆した。
大ロシア主義を唱えるドゥーギン氏の思想は、プーチン氏に影響を与えてきたといわれる。ただ、これには否定的な見方もある。
トランプ氏は2025年1月の第2次政権発足以来、ロシアとウクライナの和平交渉の仲介に取り組み、対露融和姿勢を基調とする。プーチン氏もこれを多としている。
しかし、ドゥーギン氏は「ロシアが米国との関係改善を真剣に考えているとは思えない。トランプ氏は侵略者であり、約束を守らない。これは(少女らへの性的虐待罪で起訴され自殺した米富豪)エプスタインの文明であり、私たちは『バリケード』の向こう側にいる」と彼我の違いを強調。米国には「いずれ、全てがより攻撃的な形をとることになるだろう」と関係悪化を予測した。
また、ロシアがウクライナで続ける「特別軍事作戦」については、「我々の生存を懸けた戦争であり、勝つまでやめられない。勝利とはキエフ(キーウ)のナチス政権の屈服を意味し、ウクライナ全土は自由になる」と好戦的な論を展開した。
ドゥーギン氏はこの日、露国営メディアが開いた駐露イラン大使らの記者会見を訪れた。
イランメディアの取材に対し、「イランへの侵略に目をつぶる者は全て、悪魔と協定を結んでいる。イランの正当な闘争を支持する人々は光の側にいる。ロシアとイランは戦略的同盟を強化すべきだ」と主張していた。【モスクワ真野森作】
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