イランメディアがラリジャニ氏死亡を報道 現体制の「重要人物」

2026/03/18 11:06 

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 イラン国営メディアは17日、イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長が死亡したと報じた。これに先立ちイスラエルのカッツ国防相は17日、イスラエル軍の空爆でラリジャニ氏を殺害したと発表していた。ラリジャニ氏は死亡したハメネイ師の最側近で、現体制の重要人物と目されてきた。イラン側が激しく報復する可能性がある。

 国営メディアによると、イランの国防や外交を統括する最高安全保障委員会は声明で、ラリジャニ氏の死亡について「国家の発展とイスラム革命の推進を目指した生涯にわたる戦いの末のものだ」と指摘。その上で、「彼の死によって、国民たちのイスラム体制を強化し続ける決意はさらに高まるだろう」と主張した。

 イスラエル側によると、首都テヘランで16日から17日にかけてラリジャニ氏を標的にした空爆が実施された。精鋭軍事組織・革命防衛隊傘下の民兵組織バシジの司令官も死亡した。イスラエルのネタニヤフ首相は声明で、「我々はイランの人々がこの体制を排除する機会を得られるようにするため、体制を弱体化させている。それは一度に起きることではないだろう」とした上で、「我々はやり抜く」と強調した。

 ラリジャニ氏は革命防衛隊の幹部などを経て、ハメネイ師の顧問を務めた。外交政策だけでなく、1月に激化した国内での反政府デモ鎮圧なども指揮したとみられている。

 米紙ニューヨーク・タイムズによると、ハメネイ師は2月28日の米国とイスラエルによる攻撃開始に先立ち、自身が殺害された際も体制が存続できるよう、側近であるラリジャニ氏に大幅に権限を委譲していた。現体制でも実務面で大きな影響力を持っていた模様だ。

 一方で、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、ラリジャニ氏は現実主義者でもあり、穏健な面も持ち合わせていた。2015年にイランが米英独仏中露の6カ国と結んだ核合意にも貢献したとされる。また、ラリジャニ氏の娘は最近まで米国の大学の研究者だったという。

 イランの専門家はラリジャニ氏が欧米と交渉しうる最も有力な人物だったと指摘。ラリジャニ氏の死亡によって、体制内でより強硬な人物が台頭する可能性があるとの見方を示した。【エルサレム松岡大地、ワシントン松井聡】

毎日新聞

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