米政権、イランに15項目の停戦案提示 「1カ月休戦」も 報道

2026/03/25 10:27 

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 米国・イスラエルとイランの戦闘を巡り、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)などは24日、トランプ米政権がイランに対し、15項目の停戦計画案を提示したと報じた。核開発の放棄、中東の親イラン勢力への支援停止、事実上の封鎖が続くホルムズ海峡の開放などが含まれている。米側はこの案の協議のため「1カ月間の休戦」も提案しているという。

 米ニュースサイト「アクシオス」によると、トランプ政権は早ければ26日にもイラン側との高官協議を模索しており、イランの回答を待っているという。

 トランプ大統領は24日、記者団に対し、イラン側から石油・ガスに関連した「贈り物が届いた」と主張。詳細は明かさなかったが、イランから何らかの譲歩があった可能性を示唆した。

 報道によると、この案は米イランの仲介に意欲を示すパキスタンを通じ、イラン側に送られた。イランがどの程度真剣に受け止めているかは不明。米政権内ではトランプ氏のほか、ウィットコフ中東担当特使とトランプ氏の娘婿のクシュナー氏らごく少数しかイラン側とのやり取りの内容を把握していないという。

 トランプ氏はその一方で、地上作戦を見据えた態勢も整えている模様だ。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは24日、米国防総省が近く、陸軍第82空挺(くうてい)師団の部隊約3000人の中東への派遣を命じる見通しと報道。戦略的要衝であるイランの島などを占拠できるようになるという。

 緊張緩和を模索する動きが伝えられる中、パキスタンのシャリフ首相は24日、「協議の開催国となる用意がある」とX(ツイッター)で表明した。パキスタンは米イランの対面協議を提案し、首都イスラマバードで週内に開催されるとも報じられている。

 一方、イラン大統領府は24日、殺害された最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長の後任に、精鋭軍事組織・革命防衛隊の元幹部のゾルガドル氏を任命したと発表した。死亡したラリジャニ氏は体制内の穏健派と強硬派の橋渡し役だったとの見方もあるが、ゾルガドル氏は保守強硬派とされる。要人が相次いで殺害されるイラン指導部内で、保守強硬色が強まっている可能性がある。

 イスラエルとイランは24日も交戦を続けた。イスラエル軍は、テヘランの革命防衛隊の情報機関本部などを攻撃したと発表。イラン側も、イスラエル中部テルアビブに弾道ミサイルを撃ち込むなどした。

 国際原子力機関(IAEA)は24日、イラン南部のブシェール原発の敷地内に「飛翔(ひしょう)体が着弾した」との報告をイラン側から受けたと発表した。ロイター通信によると、施設への被害や職員の負傷はないという。同原発の敷地内には、17日にも飛翔体着弾が報告されている。

 トランプ氏はイランの発電所攻撃も辞さない強硬姿勢を示してきたが、23日に一転して「5日間の攻撃延期」を発表した。今回の原発施設への着弾の詳細な状況は不明だが、IAEAのグロッシ事務局長は、紛争中の原子力安全上のリスクを回避するため、「最大限の自制」を求める声明を出した。【ワシントン松井聡、ロンドン福永方人】

毎日新聞

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