ハンガリー総選挙、野党が3分の2超獲得へ EUと関係回復図る
ハンガリー総選挙(1院制、定数199)が12日に投開票され、新興保守系野党「ティサ(尊重と自由)」の圧勝が確実となった。欧州連合(EU)に懐疑的なオルバン・ビクトル首相(62)が2010年から長期政権を率いてきたが、16年ぶりの政権交代となる。
ハンガリーはEU加盟国だが、親露的なオルバン政権はロシアの侵攻にあえぐウクライナとたびたび対立。EUのウクライナ支援案を阻止するなどして、EU内で批判されてきた。
一方、ティサはEUとの関係回復を掲げており、EUやウクライナに対するハンガリーの政策は転換するとみられる。
ハンガリーの中央選挙管理委員会によると、開票率95%の時点でティサは総議席数の3分の2を超える137議席を獲得する見込み。オルバン氏率いる中道右派「フィデス・ハンガリー市民連盟」を中心とした与党連合は55議席にとどまっている。
ティサのマジャル・ペテル党首(45)は12日夜、「ハンガリー人は欧州に票を投じた。ハンガリーはEUと北大西洋条約機構(NATO)の強い同盟国となる」と勝利宣言した。
EUや欧州各国の首脳からは、ティサの大勝を歓迎するコメントが相次いだ。EUの行政執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長はX(ツイッター)に、「ハンガリーは欧州を選んだ。一つの国が欧州への道を取り戻した。(欧州)連合はさらに強くなる」とのコメントを出し、ハンガリーとの関係正常化に期待を示した。
一方、オルバン氏は「これからは野党として国に仕える」と敗北を認めた。厳しい移民政策や「ばらまき」とも言える減税政策などで支持されてきたオルバン政権だが、汚職問題がつきまとってきた。
ティサのマジャル氏は、こうした政権の汚職体質を糾弾して支持を拡大。24年にティサで政治活動を始めたばかりだが、長期政権への不満を強める民意を背景に勢いに乗った。
オルバン氏はウクライナ支援の争点化をはかり、ティサを「EUとウクライナの手先」と批判。「ティサが勝てば戦争に巻き込まれる」と主張していた。
オルバン氏と価値観や政策が近いトランプ米政権も応援に乗り出し、7日にはバンス副大統領がブダペスト入りしてオルバン氏支持を表明していた。【ベルリン五十嵐朋子、ブリュッセル岡大介】
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