「駆け込み」か イスラエル、レバノンでヒズボラとの戦闘激化
米国とイランが戦闘終結に向けた交渉を続ける中、レバノンではイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルの戦闘が激化している。イスラエルはレバノン政府と停戦合意を結んだものの、ヒズボラやイスラエル軍による攻撃は止まっておらず、合意は形骸化している。
「すべての戦線で作戦を展開し、ヒズボラを壊滅させている」
イスラエルのネタニヤフ首相は5月29日の声明で、国境から約30キロ北に位置するリタニ川を越えて部隊を進軍させたと明らかにした。
イスラエルはヒズボラに対し、リタニ川以北へ撤退するよう要請していた。イスラエル軍が自ら設定したヒズボラの「撤退ライン」を越え、レバノン深部へと侵攻した形で、軍事作戦の範囲が広がっている。
イスラエルメディアなどによると、前日の28日には、約3週間ぶりに首都ベイルートを空爆。ヒズボラと連携するイランの民兵組織の幹部を標的にしたと主張した。
イスラエルは2024年秋にもレバノンに地上侵攻し、ネタニヤフ氏はヒズボラを「弱体化」させたと誇示していた。
だが、イランでの戦闘を受け、ヒズボラは3月2日にイスラエルへの攻撃を再開。無人航空機(ドローン)やロケット弾などにより、イスラエル北部などで被害を拡大させており、「弱体化させた」との見立ては揺らいでいる。
イランは米国との停戦協議の中で、「レバノンなどを含むすべての戦線」での戦闘停止を求めている。だが、ネタニヤフ氏は10月までに総選挙を控えており、国内に向けて強硬姿勢をアピールする必要に迫られている。米イランの交渉が「最終調整段階」と伝えられる中、「駆け込み」でヒズボラへの攻撃を激化させ、一定の「戦果」を手にしたい考えとみられる。【エルサレム松岡大地】
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