スペイン首相、下院を前倒し解散 11月に総選挙、住宅難が争点

2026/10/05 20:31 

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 スペインのサンチェス首相は5日、下院(定数350)を解散し、11月29日に総選挙を行うと明らかにした。

 国内で問題となっている住宅難に対処するための緊急政令が2日に議会で承認されず、少数与党の運営が行き詰まったことが直接のきっかけ。ただ、もともと政権は移民問題や与党幹部の汚職問題なども抱えていた。

 国民の最大の関心事である住宅難を争点に、2027年夏に予定されていた総選挙を前倒しすることで求心力を回復したい狙いがある。

 ◇「借り主の権利強化」否決

 観光大国スペインでは観光客向け短期滞在用アパートの需要が増えて家賃が上昇している。

 不動産大手によると、マドリードの家賃は15年からの10年間でほぼ倍増した。今年9月末には、マドリードで87歳の女性が新たに示された年金を超える水準の家賃を拒否したことで70年以上住んだ家から強制退去され、全国で抗議デモが起きていた。

 政権は、借り主の権利強化などを盛り込んだ緊急政令を出したが、下院で承認されなかった。

 穏健左派の社会労働党を率いるサンチェス氏は5日、「我々には、より多数の進歩派が必要だ」と語った。

 ◇政権交代の可能性も

 社会労働党は第2党で、左派連合スマールと連立政権を組んだ上で、カタルーニャ州の地域政党などの協力を得て政権を運営しており、政権基盤は弱かった。緊急政令も一部の地域政党が反対に回った。

 また、北アフリカにあるスペイン領セウタに国境を接するモロッコから一時数万人の大量の移民が越境した問題や、サンチェス氏の側近だった元社会労働党幹部などへの汚職捜査を通じて政権への風当たりが強まっていた。サンチェス氏が前倒し解散に打って出る可能性は以前から指摘されていた。

 主要な世論調査では、第1党で中道右派の国民党が社会労働党を上回っている。極右ボックス(VOX)と協力すれば、過半数を確保できる可能性が高まっている。【ブリュッセル岡大介】

毎日新聞

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