「戦争回避は指導者の義務」 米政権念頭に苦言 平和賞ピレイ氏

2026/10/10 07:47 

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 今年のノーベル平和賞受賞が決まった南アフリカ出身で元国際刑事裁判所(ICC)判事のナバネセム・ピレイ氏(85)は9日、滞在先のドイツ南部ニュルンベルクで記者会見した。制裁などでICCに圧力をかける米国について名指しを避けつつ批判し、各国の指導者に対し「人権を守り、戦争を避ける法的義務を果たすよう求める」と訴えた。

 ピレイ氏は9日に受賞者が発表された時、ニュルンベルクの法廷でのイベントに参加していた。1945~46年にナチス・ドイツの戦争犯罪を裁いた国際軍事裁判が開かれた場所だ。

 そこで会見に臨んだピレイ氏は、受賞は「全く予想していなかった。素晴らしい驚きだ」と語った上で、トランプ米政権がICCの赤根智子所長らに制裁を科している現状を念頭に「国際法と人権が重大な政治的攻撃にさらされている」と指摘。「ニュルンベルク(国際軍事)裁判以降、苦労して築き上げられてきた進歩を危うくする動きだ」と苦言を呈した。

 その上で、「受賞により、法の支配や独立した司法、主観ではなく原則に基づく国際的な法秩序を守るために団結しなければならないという確信がさらに強まった」と述べ、世界の平和のために国際法を守ることの重要性を説いた。

 最後に記者からの質問に答える形で「最も望まないのはICCへの攻撃のような、ならず者国家が独断で行動することだ」と語り、改めてトランプ政権を暗に非難した。

 インド系のピレイ氏は南アフリカで有色人種の女性として初の高裁判事に就いた後、国際司法の要職や国連人権高等弁務官などを歴任。現在は、ミャンマーが少数派イスラム教徒ロヒンギャに対するジェノサイド(集団虐殺)の罪で提訴された事案を審理する国際司法裁判所(ICJ)の特別判事を務めている。【ロンドン福永方人】

毎日新聞

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