財務省、森友文書の開示リストを国会提出 「鴻池議員関係」題も

2025/03/19 18:19 

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 学校法人森友学園への国有地売却に関する財務省の公文書改ざん問題を巡り、政府は19日、財務省が検察に提出した関連文書の一覧表を参院予算委員会理事会に提示した。財務省は一連の文書を4月上旬ごろから段階的に開示する方針で、野党側は開会中の通常国会で集中審議を求める考えだ。

 財務省によると、関連文書は17万ページ以上の紙文書と、電子データがある。このうち4月上旬にも開示する文書は、2013年6月~16年6月における森友学園の土地取引に関する経緯を記したメールや応接録など400件余り、計2000ページを超える。土地取得の要望から、貸し付け契約の締結、新たな地下埋設物の発見、売買契約の締結まで時系列でつづられており、近畿財務局にあったと説明している。

 提示された一覧表の中には「法律相談結果(案)をお届けします(鴻池議員関係)」などと「鴻池議員関係」と題した文書が5件あった。参院議員だった鴻池祥肇氏(18年に死去)を指しているとみられる。

 改ざんに加担させられて自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さんの手記にも、国有地が大幅に値引きされた背景に政治家らへの配慮があったことを示唆する内容があり、赤木さんは鴻池氏らの要望に財務省が応じたことが「問題の発端」と指摘していた。

 財務省は18年、関連する決裁文書から鴻池氏ら政治家の名前を削除したと明らかにした。一方、鴻池氏は17年、学園の理事長夫妻と接触したことは認めたが、口利きは否定している。

 石破茂首相は19日の参院予算委で「丁寧に説明していく必要がある。説明責任を果たすことにおいて遺漏がなきようにということは財務省としてもよく認識をして、開示に臨みたい」と答弁した。

 立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長は国会内で「極めて遺憾。このような文書が今になって開示されるのはいかがなものか。真相を明らかにするのは我々の義務だ」と記者団に述べ、集中審議を求める考えを示した。

 今回の政府の対応は、関連文書の不開示決定を取り消した大阪高裁判決が2月に確定したのを受けたもの。加藤勝信財務相は主要な文書を1年以内に開示する考えを示している。【山下貴史、小田中大、安部志帆子】

毎日新聞

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