卵が値上がり、平年比20%上昇 鳥インフルなど原因 いつまで続く?
卵の価格が上昇し続けている。鶏卵の生産者や流通、小売り関係者らは19日、今後の価格動向などについて東京都内で意見交換し、現在の高い水準が夏ごろまで続くとの見通しを示した。食卓に欠かせない卵の価格高騰は、消費者にとって新たな負担だ。
農林水産省が公表している鶏卵の平均小売価格(1パック当たり・サイズ混合10個入り)は、3月の調査で286円となり、平年比20%上昇、2月と比べても4%値上がりした。卵卸大手「JA全農たまご」が公表する卸売価格(Mサイズ基準値・東京地区)では、19日は1キロ当たり330円と、前年の同日と比べて57%上昇している。
意見交換を主催した日本養鶏協会によると、近年の配合飼料やエネルギーなどの価格上昇によるコスト増を背景に、生産者は飼養羽数を絞ってきた。そうした中で今年1月、鳥インフルエンザの感染が過去最悪ペースで拡大。多くのニワトリが殺処分されたことで、卵の供給量が減少した。
出席者からは、「当面は供給不足が続き、夏ごろまで卸価格は高水準が続く見込み」「卵を原材料に使うパンなどの価格も今後、上がる可能性がある」などの見解が示された。
鳥インフルの発生は今季、3月15日までに14道県の養鶏場などで51事例が確認され、鶏など約932万羽が殺処分の対象となった。
これまで件数、殺処分数ともに過去最多だったのは、2022年秋から23年春の「22年シーズン」(26道県、84事例、約1771万羽)で、卵の供給不足や価格高騰の影響が深刻化して「エッグショック」と呼ばれた。食品メーカーや飲食店では卵を使った商品の販売休止も相次いだ。【町野幸】
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