25年度予算が成立 高額療養費の負担増凍結で再修正

2025/03/31 17:56 

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 2025年度予算は31日、高額療養費制度の自己負担上限額引き上げの凍結を反映した再修正案が、衆院本会議での同意を得て成立した。少数与党として石破政権が初めて臨んだ当初予算審議は、野党などの要求を受け入れ、衆院と参院でそれぞれ修正される異例の経過をたどったものの、年度内に成立した。予算の一般会計の総額は115兆1978億円で過去最大。

 一方、企業・団体献金のあり方を巡っては、与野党が折り合わず、昨年12月に申し合わせていた「3月末までの結論」の先送りが確定した。

 石破茂首相は予算成立後、首相官邸で記者団に「与野党を超えて、それぞれが誠心誠意、全力を尽くしていただいた結果だ。予算の4月からの執行に力を尽くしたい」と述べた。

 政府は予算案を1月24日に提出。衆院段階では、日本維新の会が求める高校授業料無償化の関連費用などを盛り込み、修正された予算案が3月4日に衆院を通過した。当初予算が国会で修正されたのは1996年以来29年ぶり。さらに参院へ送付後、与野党からの要求を受け、首相が高額療養費の負担上限額引き上げの全面凍結を表明したことに伴い、自民、公明両党は予算の再修正案を参院に提出した。

 31日の参院本会議では再修正を反映した予算案を自民、公明、維新などの賛成多数で可決し、再び衆院に回付された。立憲民主、国民民主、共産、れいわ新選組などの各党は反対した。本会議に先立つ参院予算委員会では、再修正部分を全会一致で可決した。参院で修正された予算案が、衆院で再び可決されて成立するのは現行憲法下で初めて。

 また、与野党は31日の衆院政治改革特別委員会の理事会で、企業・団体献金の扱いを巡り、同日の特別委開催見送りを決めた。企業・団体献金を存続させて透明性向上を目指す自民案と、原則禁止する立憲など野党5党派案について、自民などは特別委で採決するよう提案したが、立憲などが反対し、折り合わなかった。これにより、4月以降も議論が続くことになった。【小田中大、園部仁史、池田直】

毎日新聞

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