年金改革法案、3号見直しを検討事項に 厚労省、自民党部会に提示

2025/04/17 14:14 

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 厚生労働省は17日、年金制度改革関連法案を巡り、「第3号被保険者制度(3号)」のあり方を次回改正に向けた検討事項とする考えを自民党部会に示した。3号が検討事項に明記されるのは初めて。パート従業員らの働き控えを招く「年収の壁」の温床と指摘され、日本商工会議所や連合などが将来的な廃止を求めているが、今回改正での見直しは見送られていた。

 3号は、会社員や公務員に扶養される配偶者が、年金保険料を納めなくても基礎年金を受け取れる仕組み。サラリーマン世帯の専業主婦も自分名義の年金を確保できるよう1980年代に創設された。

 ただ、近年は働き控えにつながる「年収の壁」の根幹と指摘され、国民年金保険料を自ら納める「第1号被保険者」や配偶者がいない母子家庭などから見ると不公平感も根強い。

 厚労省は5年後の見直しに向けて、現状を分析した上で議論を進めたい考えで、検討する場も設置する方針だ。

 3号を巡っては、昨年12月にまとまった社会保障審議会年金部会の報告書で「女性のキャリア形成を阻害し、男女間の賃金格差を生む原因となる」と指摘される一方、親の介護や育児などで希望した働き方ができない人もいることから、「さまざまな人が混在する3号は所得保障機能を有する」などと両論併記されていた。【宇多川はるか】

毎日新聞

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