中谷元・防衛相は１８日の記者会見で、在日米軍駐留経費負担（ＨＮＳ）について「現状において我々としては何ら変更する理由はない」と述べた。ＨＮＳについてはトランプ米大統領が１６日（日本時間１７日）、米政権の関税措置を巡って赤沢亮正経済再生担当相と会談した際に負担増に言及していた。

　中谷氏は会見で、日米両政府がＨＮＳを巡る２０２２～２６年度までの特別協定に合意していることに触れ、「合意に基づいて適切に分担されており、来年度いっぱいの経費を既に支払っている」と説明。「まだ（協定の）期間中であり、現状において我々としては何ら変更する理由もない。日本としては、防衛分担においてはできる限りのサポートをしている」と強調した。その上で、関税を巡る交渉で、米側から防衛分野の課題が取り上げられる可能性に関しては「関税の問題と別の問題だ」と述べた。

　日米両政府は１６日（日本時間１７日）、担当閣僚による関税交渉をスタート。赤沢氏が米ホワイトハウスでトランプ氏と会談し、その後、ベッセント財務長官ら担当閣僚と協議した。関係者によると、トランプ氏はこの際、在日米軍の駐留経費の負担増に言及した。【中村紬葵】