立憲、選択的夫婦別姓巡る法案提出 連休明けにも議論活発化か

2025/04/30 19:36 

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 立憲民主党は4月30日、選択的夫婦別姓の導入に向けた民法改正案を衆院に単独で提出した。国民民主党や日本維新の会も独自の法案を提出する考えを明らかにしている。今国会での成立を目指し、大型連休明けから政党間の議論が活発になりそうだが、隔たりもある。

 立憲の案は、1996年に国の法制審議会が示した案がベースで、焦点となっていた子どもの姓については夫婦の結婚時に決めるとした。2022年に立憲が国民民主や共産党などと共同提出した野党案では、それぞれの夫婦の事情などを考慮するため「出生の際に定める」としていた。

 しかし、国民民主の玉木雄一郎代表らが、きょうだいで異なる可能性が生じることなどを問題視。立憲は法制審案の「婚姻時」にすることで、国民民主などの理解を得たい考えだ。

 一方、国民民主の浜口誠政調会長は30日、今国会で独自の法案を提出する方針を表明。国会内で記者団に「(選択的夫婦別姓を)導入の方向で考えているが、(党内に)さまざまな意見があるのでまとめていかないといけない」と語った。大型連休明けから法案作成に向けた協議を始める。

 複数の党幹部によると、28日の役員会で法案提出方針を決めた。党内には、選択的夫婦別姓ではなく、旧姓使用の拡大を主張する意見もあるが、浜口氏は「その声が党内で大きいとは思っていない」と指摘。旧姓使用の拡大は、昨秋の衆院選公約で掲げた選択的夫婦別姓制度の中に「入っていない」との認識を示した。浜口氏は独自でまとめる法案について、立憲の案と内容が異なるとの見通しを明かした。

 維新の岩谷良平幹事長も30日、大型連休明けに旧姓の通称使用を法制化する法案を提出する方針を明らかにした。↵

 立憲の辻元清美・選択的夫婦別姓実現本部長は法案提出後、記者団に「長い期間、実現しなかった改革の一つだ。同姓か別姓か強制的に決めることを続けるのか、自分の意思で選べるようにするのかを争点に、国会で審議できればいい」と述べた。【池田直、園部仁史】

毎日新聞

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