コメを巡る自身の発言が「不適切」だったとして江藤拓農相が辞表を提出、受理された２１日午前、江藤氏の地元の宮崎県内からは「辞任は当然」と冷ややかな声が聞かれた。一方、自民党県連関係者は夏の参院選への影響に気をもむ。

　江藤氏が地盤とする衆院宮崎２区内の美郷町で稲作農家をしている男性（７５）は「『コメを買ったことがない』などとは世間知らずな発言。農業県の宮崎選出の大臣として残念な対応で、引責辞任して当然だ」と突き放した。

　不適切発言の前日に都城市で江藤氏の講演会を主催していた自民の山下博三県議は「都城で農業の構造改革などについて熱く語った翌日に農家も傷つくような余計なことを口にしていたということで、情けない思いだ」と無念そうに語った。

　江藤氏が会長を務める自民県連の外山衛幹事長は「地元の期待は大きかったが、本人の決断だ。残念だ」と話し、参院選への影響について「ないとは言えない。わからない」と話した。

　江藤氏は辞表提出後の記者団の取材で「参院選にも決して良い影響を与えない」として県連会長を退任する考えも示した。【重春次男、下薗和仁】