高額療養費制度の見直しへ初会合 患者らも参加「納得する設計を」

2025/05/26 23:32 

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 厚生労働省は26日、高額な医療費の患者負担を抑える「高額療養費制度」の見直しに向け、患者ら当事者も参加して議論する専門委員会の初会合を開いた。当事者からは「患者が納得する制度設計をしてほしい」などと意見が出た。

 自己負担の上限額を引き上げる当初案は厚労省の審議会を中心に議論され、政府が決定した。

 しかし、長期療養者の負担を軽減する「多数回該当」の負担上限額の引き上げを中心に、患者団体らから反対の声が上がった。「議論の過程で当事者の意見を聞いていなかった」との批判も大きく、8月の見直し実施が見送られた経緯がある。

 秋までに結論を出す見直しに向けて設けられた専門委には、全国がん患者団体連合会(全がん連)や日本難病・疾病団体協議会(JPA)といった患者団体から委員が参加。この日、全がん連の天野慎介理事長は患者の声を紹介した上で「(医療費が)家計に与える影響を分析、考慮するとともに必要かつ適切な受診への影響に留意すべきだ」と訴えた。

 今後は他の患者団体を含む関係者へのヒアリングや、患者の生活実態を反映したモデルケースを複数提示するなどして検討を進めるという。【阿部絢美】

毎日新聞

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