備蓄米は「ビンテージ表示で」 小泉農相、生産年の表記「望ましい」

2025/06/05 16:53 

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 小泉進次郎農相は5日の衆院農林水産委員会で、放出した政府備蓄米については、何年産かわかるように「ビンテージ表示」されることが望ましいとの考え方を示した。

 備蓄米は「ブレンド米」「複数原料米」などと表示され、他のコメと混ぜて販売されることも多い。立憲民主党の緑川貴士氏は、今回の備蓄米放出について「年産表示を(事業者に)義務付けることが不可欠だ。硬いのが苦手だという消費者もいる。消費者には最低限の情報提供が必要で、『政府備蓄米、何年産ブレンド』というふうにポップで必ず掲げる、あるいはシールで貼るという対応をお願いしたい」と求めた。

 小泉氏は「私も思いは同じだ。政府備蓄米を使っているのであれば、そう表記をしてもらいたい」と応じた。一方で「(表示を)義務とするかは、意見として受け止めたい」と述べるにとどめた。

 また小泉氏は、政府備蓄米を全て放出した場合を含めたコメの輸入増について「今これだけコメが足りないという不足感があり、価格が高騰している。あらゆる選択肢を排除しないという姿勢は貫き続ける」と述べ、可能性を排除しない考えを改めて示した。

 一方、小泉氏はコメの輸出拡大について「輸出をやりたいという若い農家がいるのも事実だ。しっかり輸出の後押しもやる」と述べ、取り組む農家を後押しする考えを示した。「中長期に向けて世界のマーケットを獲得していく。結果として、国内市場に対してマイナスよりもプラスがある」との認識も示した。

 農林水産省は輸出量を2030年までに約35万トンに拡大する目標を掲げており、24年実績の年約4万6000トンに比べ、8倍近くになる。【安部志帆子】

毎日新聞

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