コメ価格高騰は「スポット価格」上昇が影響? 小泉農相 実態把握へ

2025/06/09 19:29 

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 小泉進次郎農相は9日の参院決算委員会で、コメの価格高騰の要因について、全国農業協同組合連合会(JA全農)などを介さずに業者が農家から直接買い取るなどしたコメの「スポット価格」上昇の影響が大きいとの認識を示した。「スポット市場の動向を農林水産省は十分に把握できていない」として、実態把握を急ぐ考えを強調した。

 コメの流通方法はJAなどの集荷から卸売業者を経てスーパー(小売店)などの店頭に並ぶルートが一般的だ。農水省が2024年産米に関し、今年1~4月時点の玄米60キロ当たりの売買価格を調べたところ、集荷から卸売業者に販売した価格は全国平均で2万4500円だった。

 これに対し、スポット価格は4万5000~5万円程度で、約2倍の高値だった。こうした高値で流通したコメの多くが小売店に流れているとみられる。

 小泉氏は「スポット市場の価格が高騰していることによって、店頭の価格が上がっていることが現時点では言える」と指摘。「今までの伝統的な全農から消費者への流れ(流通)だけでは見えないものがある」と述べた上で、スポット市場の検証を「早急に手がけていかなければならない」と語った。

【田中裕之、中村紬葵】

毎日新聞

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