日本維新の会「兵庫維新は崩壊の可能性」 離党・除名相次ぎ危機感

2025/06/10 07:30 

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 日本維新の会は9日、2024年9月の斎藤元彦・兵庫県知事に対する不信任決議以降の県組織・兵庫維新の会の対応を調査した報告書の一部を公表した。兵庫維新では所属議員の離党・除名が相次いでおり、報告書は「現状のままでは組織そのものが崩壊する可能性もある」と危機感を強調している。

 維新は今年に入り、所属していた県議3人が24年10~11月の知事選期間中、政治団体「NHK党」の立花孝志党首に県議会の非公開情報や真偽不明の情報などを提供していたと発表。立花氏は斎藤氏を応援するために知事選に立候補した経緯があり、維新は3人を除名や離党勧告処分とするとともに、党本部に調査委員会を設置し兵庫維新のガバナンスを調査していた。

 報告書では、維新県議団が、斎藤氏らの疑惑の真相究明から方向転換し、斎藤氏の不信任決議案に賛成した経緯を分析。24年10月の衆院選を前に、複数の衆院議員らが選挙への影響を考え、県議団が判断すべき辞職勧告や不信任の決定を主導したと指摘した。その上で、そのことが組織のガバナンスの欠如につながったと結論づけた。

 さらに、知事選で擁立した元参院議員が維新の政策などと違う公約を掲げたと指摘。「維新支持者の6~7割が離反したとも指摘されるほど迷走し、敗北感が漂っている」と批判した。一連の対応は「党利党略、政争に明け暮れ、県民の信頼を失った」と総括。兵庫維新を地方議員の活動を中心とする組織体制に変更するよう提案した。

 立花氏への情報提供を巡って、党を離れた県議3人は地域政党「躍動の会」を設立。神戸市議2人が維新を離党して合流した。5月には明石市議が、元市長の泉房穂氏を支持する会派に入っている。

 兵庫維新の金子道仁代表は「選挙互助会からもう一度政策集団として立て直す。夏の間に何らかの回答を出したい」と語った。【栗田亨】

毎日新聞

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