神奈川・三浦市長選で自公系現職敗れる 小泉進次郎農相の「お膝元」

2025/06/16 18:40 

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 15日投開票された神奈川県三浦市長選で、自民推薦、公明支持で6選を目指した現職が敗れた。同市は小泉進次郎農相(衆院神奈川11区選出)の「お膝元」。備蓄米放出の対応にあたる小泉氏は、選挙期間中は地元に応援に入らず、その注目度と市長選の得票数は十分に結びつかなかった。

 三浦市長選には、6選を目指した現職の吉田英男氏(69)=自民推薦、公明支持=のほか、新人で元会社員の出口嘉一氏(43)、新人でコンサルタント業の秋葉俊二氏(56)が立候補。市政刷新を訴えた出口氏が7782票を獲得し、吉田氏は1220票差で次点となり落選した。

 小泉農相は4月11日、出馬表明をした吉田氏の市政報告会に登壇した。会場の定員を上回る約550人を前に講演し、吉田氏と一緒に映った写真を交流サイト(SNS)にアップするなど、支援の姿勢を明らかにしていた。

 しかし6月8日の告示日は、吉田氏の出陣式に秘書が代理出席をする対応にとどまった。

 選挙結果の背景には、吉田氏への多選批判が広がったこともある。5選のうち3回は無投票で「選挙で市長を選びたい」と願う市民も多かった。今回は8年ぶりの選挙戦。投票率は過去最低の前々回選を5・1ポイント上回る44・0%となった。

 吉田氏は地元の労働団体や約100の職能団体からも応援を受けたが、有権者が選んだのは政治経験のない無所属新人の出口氏(43)だった。

 出口氏は当選から一夜明けた16日、横須賀市役所で記者会見をした。小泉農相の市長選への影響を問われると「小泉さんの牙城を崩すとか、そういうつもりでやったわけではない。投票率が上がって市民が選挙に関心を持ち、結果がこうなった。それが一番喜ばしい」と冷静に話した。【福沢光一】

毎日新聞

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