日本学術会議の特殊法人化 歴代会長ら6人が声明「心から遺憾」

2025/06/16 20:16 

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 日本学術会議の歴代会長6人は16日、日本学術会議を特殊法人化する新たな日本学術会議法が11日に成立したことを受けて、石破茂首相に対して学術会議の独立性を尊重するよう求める声明を連名で発表した。法案の修正を求める学術会議の決議に政府・与党が応じなかったことについては「心から遺憾の意を表明する」としている。

 声明を出したのは、吉川弘之▽黒川清▽広渡清吾▽大西隆▽山極寿一▽梶田隆章――の6氏。同日に開かれた記者会見には梶田、吉川両氏を除く4人が出席した。

 2020年に菅義偉首相(当時)が会員候補6人の任命を拒否した際に会長だった山極氏は、「任命拒否は信頼関係を断ち切るものだった」と振り返り、「拒否の理由が分からないまま、(人事面などで)自主規制をしなくてはならなくなった」と指摘した。

 また04年度の国立大学法人化と比較し、「人事権が外から管理されつつあるのが大学法人化の結果。学術会議もそういう道をたどるのではないかという懸念がある。今後は会議と内閣との間で相互に意思疎通を図ってほしい」と述べた。【信田真由美、菅沼舞】

毎日新聞

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