参院選公約での「排外主義扇動に反対」 NGOなどが共同声明

2025/07/08 20:01 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 外国人労働者や難民の人権問題に取り組むNGOなど民間8団体は8日、国会内で記者会見し、参院選で各党が、外国人や外国にルーツを持つ人々を敵視するような政策を打ち出しているとして、排外主義の扇動に反対する緊急共同声明を発表した。

 声明では、参院選の公約に「違法外国人ゼロ」「外国人優遇策の見直し」が掲げられるなど「各党が排外主義扇動を競い合っている状況」だと指摘。「『外国人が優遇されている』というのは根拠のないデマ」だとし「違法外国人」という用語についても外国人が「違法」との偏見をあおるものだと批判した。

 その上で「政府や国会などの公的機関は人種差別撤廃条約に基づき、ヘイトスピーチをはじめとする人種差別を禁止し、さまざまなルーツの人々が共生する政策を行う義務がある」と強調。各党や候補者に排外主義をやめ、政府・自治体には選挙運動におけるヘイトスピーチが許されないことを徹底して広報するよう求めた。

 特定NPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連)の鳥井一平・共同代表理事は参院選で広がる排外主義的な言説について「民主主義を壊そうとしている。次の社会がどうなるか、よく目を向けるべきだ」と訴えた。

 声明には8日時点で全国のNGOやNPOなど計266団体が賛同。8団体は政府と各政党に声明を送付する。【畠山嵩】

毎日新聞

政治

政治一覧>